電子メールの仕組みを初心者向けにやさしく分かり易く解説

「SMTP」「POP」「IMAP」「DNS」など、メール設定をしていると突然良く分からない言葉が出てきて困った経験はありませんか?

毎日の様に使っている電子メールですが、「送信ボタンを押した後、どうやって相手まで届いているのか」を説明出来る人は意外と少ないものです。

しかし、基本的な仕組みはそれほど難しくありません。

ポイントは、メールを運ぶ「SMTP」、メールを読むための「POP・IMAP」、送り先を探す「DNS」の役割を分けて考える事です。

この記事では、IPアドレス・ドメイン名・メールアドレスの関係から、メールが相手に届くまでの流れまで、初心者にもイメージし易い様に順番に解説します。

 

 




 

電子メールはどの様な仕組みで届く?

メールは相手のスマホへ直接届く訳では無い

私達は普段、スマートフォンやパソコンで文章を書き、「送信」ボタンを押すだけで簡単にメールを送れます。

そのため、「自分のスマホから相手のスマホへ、そのままメールが飛んでいく」と思っている人もいるかもしれません。

しかし、実際はそうではありません。

メールは途中で「メールサーバー」というコンピューターを通って、相手の元へ届けられます。

大まかな流れは次のようになります。

自分のスマホやパソコン
↓
自分が使っているメールサーバー
↓
相手が使っているメールサーバー
↓
相手のスマホやパソコン

イメージし易いのが、普通の郵便です。

友達に手紙を送る時、自分で友達の家まで持って行く必要はありません。

手紙を郵便ポストへ入れると、郵便局が受け取り、宛先を確認して相手の地域まで運びます。

そして最後に、相手の家の郵便受けへ届けられます。

電子メールも基本的な考え方は同じです。

メールを書いた人が、相手のスマホへ直接データを届けるのではありません。

幾つかのサーバーが途中で仕事をして、最終的に相手が読める状態にしてくれます。

この時、メールを送るために使われる代表的な仕組みが「SMTP」です。

更に、相手のメールサーバーを探すために「DNS」という仕組みも利用されます。

そして相手側のメールサーバーに届いたメールを、スマホやパソコンから見るために使われるのが「POP」や「IMAP」です。

最初は名前を全部覚えなくても大丈夫です。

まずは、

「メールは、自分から相手へ直接届くのではなく、メールサーバーを通って届けられる」

という事を覚えておきましょう。

メールサーバーとは何をする物?

メールの仕組みを理解する時に欠かせないのが「メールサーバー」です。

サーバーという言葉を聞くと、難しい機械を想像してしまうかもしれません。

しかし、簡単に言えば、

メールを預かったり、相手へ届けたりするコンピューター

だと考えれば十分です。

例えば、あなたが友達へメールを送るとします。

まず、自分のスマートフォンやパソコンから、自分が利用しているメールサーバーへメールが渡されます。

メールサーバーは、

「このメールは誰に届ければいいのか」

を確認します。

そしてインターネット上にある相手側のメールサーバーを探し、メールを届けます。

相手側のメールサーバーは、届いたメールを相手が読むまで保管しておきます。

その後、相手がスマートフォンやパソコンでメールアプリを開くと、保存されているメールを見る事が出来ます。

つまりメールサーバーには、大きく分けて、

メールを送る

メールを受け取る

メールを保存する

という仕事があります。

郵便に例えるなら、郵便局の様な物です。

郵便局は手紙を受け取り、正しい場所へ運びます。

また、場合によっては手紙を一時的に預かる事もあります。

メールサーバーも、それに近い役割をしています。

この後紹介するSMTP・POP・IMAPは、それぞれメールサーバーとやり取りする時に使われる決まりです。

まずは、

「メールの裏側では、メールサーバーが大切な仕事をしている」

と理解しておけば大丈夫です。

IPアドレス・ドメイン名・メールアドレスの違い

IPアドレスとはインターネット上の住所

インターネットでは、沢山のパソコンやサーバーがつながっています。

そこで問題になるのが、

「どのコンピューターと通信すれば良いのか」

という事です。

現実の世界では、手紙を届けるために住所を使います。

「東京都○○区○○」の様な住所があるから、配達する人は相手の家を見付けられます。

インターネットにも、これと似た仕組みがあります。

そこで使われるのが「IPアドレス」です。

IPアドレスは簡単に言えば、

インターネット上の住所の様な物

です。

コンピューター同士が通信する時は、このIPアドレスを手掛かりに相手を見つけます。

ただし、IPアドレスは数字などで表されるため、人間には覚えにくいという問題があります。

例えば、友達の家へ行度に長い数字を覚えなければならないとしたら、とても不便ですよね。

そこで登場するのが「ドメイン名」です。

ドメイン名は、

example.com

の様に、人間が見ても分かり易い名前です。

このドメイン名と、実際に通信する時に必要な情報を結び付けるために使われるのが「DNS」です。

ただしメールの場合は、単純にドメイン名から一つのIPアドレスを探すだけではありません。

「このドメインのメールは、どのメールサーバーが受け取るのか」という情報も確認します。

そこで使われるのが、後で説明する「MXレコード」です。

今の段階では、

IPアドレス=インターネット上の住所

ドメイン名=人間が覚えやすくした名前

と覚えておけば十分です。

ドメイン名とメールアドレスにはどんな関係がある?

メールアドレスは、多くの場合、

名前@ドメイン名

という形になっています。

例えば、

taro@example.com

というメールアドレスがあったとします。

この場合、

taro

が利用者を表す部分です。

そして、

example.com

がドメイン名です。

メールを届ける時には、この「@」より後ろの部分がとても重要になります。

例えば、あなたが、

hanako@example.com

という相手へメールを送るとします。

送信側のメールサーバーは、

「example.comというドメインのメールは、どのメールサーバーへ届ければいいのだろう?」

と調べます。

その答えを探すために使うのがDNSです。

さらにDNSの中には、「このドメイン宛てのメールを受け取るサーバーはこちらです」という情報があります。

それが「MXレコード」です。

郵便に例えるなら、

「hanako」が住んでいる人の名前、

「example.com」が建物や地域の住所、

MXレコードが「この住所への郵便物は、ここへ届けてください」という案内、

のようなイメージです。

メールアドレスは、ただの文字の並びではありません。

「@」より後ろにあるドメイン名がある事で、送信側はメールを届ける場所を探せます。

普段は何となく入力しているメールアドレスですが、その中には、

誰に届けるのか

どのメールサービスへ届けるのか

という大切な情報が含まれているのです。

電子メールが相手に届くまでの流れ

「送信」を押してから相手に届くまで

ここからは、実際にメールが届くまでの流れを見ていきましょう。

例えば、太郎さんが花子さんへメールを送るとします。

太郎さんがメールを書き終え、「送信」ボタンを押します。

すると、メールはまず太郎さんが使っているメールサービスのサーバーへ送られます。

次に、サーバーは花子さんのメールアドレスを確認します。

例えば花子さんのメールアドレスが、

hanako@example.com

だったとしましょう。

送信側は「example.com」に注目します。

そしてDNSを使って、

「example.com宛てのメールは、どのメールサーバーへ届ければいいのか」

を調べます。

この時に使われる代表的な情報がMXレコードです。

届け先が分かると、送信側のメールサーバーは「SMTP」という仕組みを使って、相手側のメールサーバーへメールを送ります。

相手側のメールサーバーがメールを受け取ると、花子さん用のメールボックスに保存します。

その後、花子さんがスマートフォンやパソコンでメールアプリを開きます。

そしてPOPやIMAPなどの仕組みを使って、届いているメールを確認します。

まとめると、

①メールを書く
②送信ボタンを押す
③自分のメールサーバーへ送る
④DNSで相手のサーバーを探す
⑤SMTPで相手のサーバーへ届ける
⑥相手側のサーバーが保存する
⑦相手がメールアプリで読む

という流れになります。

一見複雑そうですが、役割毎に分ければそれほど難しくありません。

メールは幾つかのサーバーを通る事もある

電子メールは、必ずしも一つのサーバーから一つのサーバーへ一直線に届く訳ではありません。

途中で別のサーバーを通る事もあります。

これも郵便をイメージすると分かり易いでしょう。

例えば、広島から北海道へ手紙を送るとします。

家の近くの郵便局で受け取った手紙が、その郵便局から直接北海道の家へ運ばれるとは限りません。

大きな集配施設などを通ってから、北海道にある郵便局へ運ばれ、最後に相手の家へ届けられます。

メールも同じ様に、途中のサーバーを経由しながら届けられる場合があります。

また、相手側のサーバーが一時的に使えない場合もあります。

例えばサーバーの故障や通信の問題が起きているケースです。

この様な場合、すぐに全てのメールが消えてしまう訳ではありません。

送信側のサーバーがメールを一時的に保存し、後でもう一度送ろうとする事があります。

ここで覚えておきたいのが、

「送信ボタンを押した=相手が必ず受け取った」ではない

という事です。

自分の「送信済み」フォルダーにメールが入っていても、相手側で何らかの問題が起きていれば、まだ届いていない場合があります。

メールは一瞬で届く事が多いため気付きにくいのですが、実際には裏側で複数のサーバーが協力して動いています。

SMTPとは?メールを送る仕組み

SMTPはメールを送るためのルール

SMTPは「Simple Mail Transfer Protocol」の略です。

英語だけを見ると難しそうですが、意味はそれほど複雑ではありません。

簡単に言えば、

メールを送ったり、別のメールサーバーへ渡したりするときに使うルール

です。

コンピューター同士が通信する時には、決められたルールが必要です。

例えば2人でキャッチボールをする時、一方が突然サッカーボールを蹴り始めたらうまくいきません。

お互いに「ボールを投げて受け取る」というルールを分かっているから、キャッチボールが成立します。

インターネット通信でも同じです。

どんな順番で情報を送るのか、どんな形で返事をするのか、といった決まりがあります。

こうした通信の決まりを「プロトコル」と呼びます。

SMTPもプロトコルの一つです。

メールアプリから送信サーバーへメールを渡す時や、メールサーバー同士でメールを転送する時などにSMTPが使われます。

そのため、メールアプリの設定画面を見ると、

SMTPサーバー

送信メールサーバー

といった言葉が出てくる事があります。

この表示を見たら、

「メールを外へ送り出すための設定なんだ」

と思えば大丈夫です。

細かな英語の意味まで暗記する必要はありません。

まずは、

SMTP=メールを送るための仕組み

と覚えておきましょう。

SMTPサーバーは何をしている?

SMTPサーバーは、メールを受け取って次の場所へ送る仕事をしています。

例えば、あなたがメールアプリで友達へメールを書いたとします。

「送信」ボタンを押すと、そのメールはまず自分が利用している送信メールサーバーへ渡されます。

送信メールサーバーは、

「このメールは誰に届ける必要があるのか」

を確認します。

そして必要に応じてDNSを使い、相手側のメールサーバーを探します。

届け先が分かると、SMTPを使って相手のメールサーバーへメールを送ります。

流れを簡単にすると、

自分のメールアプリ
↓
SMTPサーバー
↓
相手側のメールサーバー

となります。

ここで大切なのは、SMTPとDNSの役割を混ぜない事です。

SMTPは、

メールを運ぶための仕組み

です。

DNSは、

メールをどこへ運べば良いのか調べるための仕組み

です。

郵便で例えるなら、SMTPは配達をするトラック、DNSは配達先を確認する地図や住所録の様な物です。

この2つが協力する事で、メールは正しい相手へ送られます。

SMTPサーバーの細かな設定はメールサービス事に異なりますが、初心者はまず、

「SMTPサーバーがメールを次の場所へ送り出している」

というイメージを持てれば十分です。




DNSはメール送信でどんな役割をする?

DNSはメールの送り先を探してくれる

DNSは「Domain Name System」の略です。

難しい名前ですが、初心者向けに言えば、

インターネット上の住所を調べる案内所

の様な仕組みです。

インターネットでは、本来IPアドレスを使って通信相手を見付けます。

しかし、人間にとって数字の並びをたくさん覚えるのは大変です。

そのため、「example.com」のような分かりやすいドメイン名が使われています。

そしてドメイン名から、通信に必要な情報を調べてくれるのがDNSです。

メールを送るときにもDNSが活躍します。

例えば、

hanako@example.com

へメールを送るとします。

送信側は、「example.com」というドメインを見て、

「このドメイン宛てのメールは、どのサーバーへ送ればいいのだろう?」

と調べます。

このときにDNSを利用します。

ただしメールの場合は、普通のWebサイトを見る場合とは少し違います。

メールを受け取る専用のサーバーを探す必要があります。

そこで使われるのが「MXレコード」です。

つまり、

DNS=送り先を調べる仕組み

MXレコード=メールの送り先を教えてくれる情報

と考えると分かり易いでしょう。

普段メールを送る時、私達はDNSを意識していません。

しかし実際には、正しいメールサーバーを見付けるために重要な働きをしています。

MXレコードとはメール用の案内板

MXレコードは、メールの仕組みを理解する時に大切な言葉です。

MXは「Mail Exchange」の略です。

簡単に言えば、

「このドメインへのメールは、このメールサーバーへ送ってください」

という情報です。

例えば「example.com」というドメインがあるとします。

DNSのMXレコードに、

mail.example.com

という情報が登録されていれば、送信側は、

「example.com宛てのメールはmail.example.comへ送ればいいんだ」

と判断出来ます。

郵便で例えると分かり易いでしょう。

大きな会社へ荷物を届ける場合、会社の住所だけでなく、

「荷物はこちらの受付へ届けてください」

という案内板があると配達し易くなります。

MXレコードも、それに近い役割です。

また、MXレコードには複数のメールサーバーを登録する事も出来ます。

例えば、

第1のメールサーバー

と

予備のメールサーバー

を用意しておく事が出来ます。

MXレコードには優先順位を表す数字を設定出来、一般的には数字が小さい方が先に利用されます。

最初のメールサーバーに問題があれば、別のサーバーへの配送を試せるような構成も作れます。

少し専門的な言葉ですが、

MXレコード=メールの届け先を示す案内板

と覚えておけば十分です。

POPとIMAPとは?メールを受け取る仕組み

POPはメールを自分の端末に取り込む方法

POPは「Post Office Protocol」の略です。

現在は「POP3」と呼ばれる方式が主に使われています。

POPの特徴を簡単に言うと、

メールサーバーに届いているメールを、自分のパソコンなどへ取り込んで読む方法

です。

郵便局に手紙を受け取りに行き、自宅へ持ち帰るイメージに近いでしょう。

例えばメールサーバーに10通のメールが届いているとします。

メールアプリがPOPを使ってサーバーに接続すると、届いているメールを自分のパソコンへダウンロード出来ます。

そのため、自分のパソコンの中を中心にメールを管理したい場合には使い易い方法です。

ただし注意したい点があります。

POPでは設定によって、メールをダウンロードした後にサーバーから削除する場合があります。

その場合、自宅のパソコンでメールを受け取ったあと、スマートフォンから同じメールを見ようとしても表示されない事があります。

一方で、「サーバーにメールを残す」という設定も出来ます。

そのため、

POPを使うと必ずメールがサーバーから消える

という意味ではありません。

大切なのは、

POPは端末へメールを取り込んで利用する考え方

だという事です。

パソコン1台だけでメールを管理する様な使い方では便利ですが、複数の端末で同じ状態を保ちたい場合には、次に説明するIMAPの方が向いている事があります。

IMAPは複数の端末でメールを管理し易い

IMAPは「Internet Message Access Protocol」の略です。

こちらも名前だけを見ると難しそうですが、考え方は簡単です。

IMAPでは基本的に、

メールをサーバー上に置いたまま、スマートフォンやパソコンから確認する

という使い方をします。

例えば朝、スマートフォンでメールを開いたとします。

すると、そのメールは「既読」になります。

そのあとパソコンで同じメールアカウントを開くと、パソコン側でも既読として表示されます。

メールをフォルダーへ移動した場合も、ほかの端末に同じ状態が反映されます。

つまり、スマートフォンとパソコンがそれぞれ別々にメールを管理しているのではなく、

サーバーにある同じメールボックスを見ている

と考えると分かり易いでしょう。

現在は、

学校ではパソコン、

外出中はスマートフォン、

自宅ではタブレット、

というように複数の端末を使う人も多くなっています。

そのため、複数の端末でメールを使う場合にはIMAPが便利です。

ただし、メールをサーバー上に保存するため、利用しているメールサービスの保存容量には注意が必要です。

大量の写真や動画が添付されたメールを溜め続けると、容量不足になる事もあります。

覚え方としては、

POP=端末へ持ってくる

IMAP=サーバーと端末をそろえる

と考えると分かり易いでしょう。

POPとIMAPはどちらを使えばいい?

パソコン1台が中心ならPOPも選択肢

POPとIMAPを知ると、

「結局、どちらを使えばいいの?」

と思う人もいるでしょう。

結論から言えば、使い方によって変わります。

例えば、

自宅のパソコン1台だけでメールを見る

メールをパソコンの中へ保存して管理したい

という場合なら、POPが使い易い事があります。

POPはメールを端末へ取り込む方式だからです。

ただし、スマートフォンとパソコンなど、複数の端末で使う場合は少し注意が必要です。

例えばパソコンでメールをダウンロードした後、サーバーから削除する設定になっているとします。

すると、後からスマートフォンで同じメールを見ようとしても、既にサーバーに無いため表示出来ない事があります。

もちろん設定によっては、メールをサーバーに残す事も出来ます。

そのためPOPが悪いという訳ではありません。

重要なのは使い方です。

1台の端末を中心にメールを保存したいならPOP

という考え方が分かり易いでしょう。

ただし、学校や会社のメールでは使う方式が決められている場合もあります。

その場合は、自分の判断で変更せず、指定されている方法を使う様にして下さい。

スマホとパソコンを使うならIMAPが便利

現在の使い方を考えると、IMAPが便利な人は多いでしょう。

理由は、スマートフォンとパソコンの両方でメールを見る人が増えているからです。

例えば朝、電車の中でスマートフォンを使ってメールを確認したとします。

会社や学校に着いてから、今度はパソコンでメールを開きます。

このときスマートフォンで読んだメールが、パソコンでは「未読」に戻っていたら少し不便ですよね。

IMAPなら、サーバーにあるメールの状態を複数の端末で揃え易くなります。

スマートフォンで既読にしたメールはパソコンでも既読になります。

フォルダーへ移動したメールも、別の端末から同じ様に確認出来ます。

そのため、

スマートフォン

パソコン

タブレット

などを使い分ける人にはIMAPが向いています。

迷った時は、

1台の端末を中心に使う → POP

複数の端末で同じ状態にしたい → IMAP

と考えると分かり易いでしょう。

ただし、利用するメールサービスによって設定方法は違います。

自分で勝手に設定を変えるのではなく、メールサービスや学校・会社から指定された方法がある場合は、それに従う事が大切です。

SMTP・POP・IMAP・DNSの違いを整理しよう

郵便に例えると違いが分かり易い

ここまでSMTP・POP・IMAP・DNSという言葉が出てきました。

名前が似ていたり英語だったりするので、

「もうどれがどれか分からない」

という人もいるでしょう。

そこで、普通の郵便に例えて整理してみます。

まずSMTPです。

SMTPは、

手紙を運ぶ配送の仕組み

と考えられます。

メールを送信したり、サーバーから別のサーバーへ渡したりする時に使われます。

次にDNSです。

DNSは、

届け先を探す住所案内

の様な物です。

「このドメインのメールをどこへ届ければ良いのか」を調べる時に使われます。

そしてMXレコードは、

メール専用の届け先を示す案内板

です。

次にPOPです。

POPは、

郵便局にある手紙を自宅へ持って帰る

様なイメージです。

メールを自分の端末へ取り込んで管理します。

最後にIMAPです。

IMAPは、

郵便局にある同じ郵便物の状態を、色々な場所から確認する

様なイメージです。

実際の仕組みは郵便とは違いますが、役割を覚えるには便利な例えです。

まとめると、

SMTP=送る

DNS=届け先を探す

MXレコード=メールの届け先を示す

POP=端末へ取り込む

IMAP=サーバーと端末を同期する

となります。

この5つを整理出来れば、電子メールの基本的な仕組みはかなり理解出来ています。

メール設定にある「送信」と「受信」の意味

新しいパソコンやスマートフォンでメールを設定すると、

送信メールサーバー

受信メールサーバー

という言葉が出てくる事があります。

初めて見ると、

「同じメールなのに、なぜサーバーが2種類あるの?」

と思うかもしれません。

しかし、ここまで読んだ人なら意味が分かるはずです。

送信メールサーバーは、メールを外へ送り出すためのものです。

ここでは主にSMTPが使われます。

一方、受信メールサーバーは、自分宛てに届いたメールを見るための物です。

ここではPOPやIMAPが使われます。

つまり、

送信=SMTP

受信側のメールへのアクセス=POPまたはIMAP

と考えれば分かり易いでしょう。

最近はメールアドレスやパスワードを入力するだけで、自動的に設定してくれるサービスも増えています。

そのため、SMTPやIMAPという言葉を一度も見ずにメールを使っている人も珍しくありません。

しかし、

「メールは受信出来るのに送信出来ない」

「スマートフォンでは見られるのにパソコンでは見られない」

といったトラブルが起きた時、仕組みを知っていると原因を考え易くなります。

例えば送信だけ出来ないのであれば、SMTP側に問題があるかもしれません。

受信だけ出来ないのであれば、POPやIMAPの設定を確認する必要があるかもしれません。

難しい設定内容を全て暗記する必要はありません。

「送る仕組みと、読む仕組みは別」

と分かっているだけでも十分役立ちます。

メールが届かない時は何を確認する?

まずはメールアドレスや設定を確認しよう

メールを送ったのに相手へ届かない場合、原因は幾つも考えられます。

最初に確認したいのは、メールアドレスの入力ミスです。

例えば、

example.com

を、

exampel.com

の様に1文字間違えただけでも、正しい場所へ届けられません。

特に長いメールアドレスは間違え易いため、まず確認してみましょう。

次に、

送信出来ないのか

受信出来ないのか

を分けて考える事も大切です。

受信は出来るのに送信だけ出来ない場合は、SMTPの設定などに問題がある可能性があります。

反対に、送信は出来るのに受信出来ない場合は、POPやIMAPなど受信側の設定を確認します。

独自ドメインのメールを使っている場合には、DNSの設定が関係する事もあります。

特にMXレコードが正しく設定されていなければ、送信側がメールの届け先を見付けられない事があります。

ただし、Gmailなど一般的なメールサービスを利用している人が、自分でMXレコードを変更する必要は通常ありません。

メールが届かない時は慌てずに、

①メールアドレスは正しいか

②送信だけできないのか

③受信だけできないのか

④特定の相手だけ届かないのか

という順番で確認すると、原因を見つけ易くなります。

正しく送っても迷惑メールになる事がある

メールは、相手のメールサーバーへ届けば必ず受信トレイに表示されるとは限りません。

場合によっては「迷惑メール」フォルダーへ入ったり、受信を拒否されたりする事があります。

なぜなら、インターネット上には大量の迷惑メールや、他人になりすまして送るメールが存在するからです。

そのため、多くのメールサービスでは、

「このメールは本当に信頼出来るのか」

を確認しています。

ここで使われる代表的な仕組みに、

SPF

DKIM

DMARC

などがあります。

名前は難しそうですが、初心者は全てを詳しく覚える必要はありません。

簡単に言えば、

「本当にそのドメインから送られたメールなのかを確認するための仕組み」

と考えれば良いでしょう。

例えば、学校の先生になりすました人が、

「先生からのメールです」

と言ってメールを送れたら困ります。

そこで受信側は、送信元などの情報を調べて、本当に正しい相手から送られて来たのかを確認します。

確認の結果によっては、メールが迷惑メール扱いになる事もあります。

つまり、

SMTPで相手側のサーバーまでメールを送れた

としても、

必ず相手の受信トレイへ入るとは限らない

という事です。

メールが届かない場合は、相手に迷惑メールフォルダーを確認してもらう事も大切です。

電子メールは、単に「送る・受け取る」だけではありません。

安全に利用するための仕組みも、裏側で沢山働いています。

 




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